留学経験を活かした転職成功者インタビュー

今回、英国へ4年半留学の後、老舗英国ブランドへ入社されたB.A.さんにインタビューさせていただきました。

B.A.さんは国立短期大学で漆工芸を専攻し卒業後、英国ノッティンガムトレント大学へ留学され、同大学付属の英語コースで半年間の準備を経て、テキスタイルデザイン科へ進学し、1年間勉強されました。さらに、スキル向上のためエジンバラ・カレッジ・オブ・アートのテキスタイル科へ編入、在学中もインドへ渡りサマーコースを受講するなど、積極的に活動。日本へ帰国後、日系企業へ就職をされたものの、英国のデザインに魅了されているご自身に気づき、英国での経験をフルに活かすため転職を決断されました。そして今春、ご希望の老舗英国ブランドへ入社となりました。

このような経歴をお持ちのB.A.さんに、留学決断前から留学、転職までの思いや経験などをお聞きしました。

(インタビュー担当:キャリアコネクションズ 人材コンサルタント 山本)

待っていてもチャンスは訪れないんです。積極的に自ら動くことにより、チャンスはいくらでもやってきます。

── 憧れのブランドへ転職されてしばらくたちますが、仕事には慣れてきましたか?

まだまだ勉強の日々ですが、少しずつ慣れてきました。ひとつひとつの商品知識を得るため、学生時代のようにノートに商品と商品の特徴などをまとめて持ち歩いています!

── 楽しくお仕事をされているようで私も嬉しく思います。本日は少し前の話にはなると思いますが、留学を決断された時のお話もお伺いできればと思っていますので、よろしくお願いします。
ではさっそくですが、まずなぜ留学しようとお考えになったのですか?

幼い頃から英語のレッスンを受けていて、英語が大好きだったということが根本にあると思います。あと、母が私に留学をさせたいと考えていたことも大きな影響だと思います。

── でも高校を卒業された後はすぐには留学せず、日本の大学を選択されたのですよね?

いつかは必ず行きたいと思っていたのですが、日本の伝統も好きだったので、まずは日本の伝統を学ぶため、日本の大学へ通うことを選択しました。

── 日本の伝統を学んだ後、留学を決断されるのですが、なぜ英国を選ばれたのですか?

理由はとてもシンプルで、ジョンガリアーノが大好きだったからです!思えば中学校3年生ぐらいのときにインスピレーションを受け、いつかは留学をと思っていました。日本の大学を卒業したタイミングで「今しかない!」と思い英国留学を決断しました。

── ではなぜノッティンガムトレント大学を選択されたのですか?

英国へ行きたいとは思っていたのですが、正直全く英国の大学や学校に関しては無知でした。私はたまたま運よく以前からお世話になっていた先生の紹介で、ノッティンガムトレント大学を受けることにしました。

── ノッティンガムトレント大学以外は受けていらっしゃらないのですね?

まずは英国で学ぶということを優先してその当時は考えていましたね。

──  出願の際に、作品を提出したりと色々大変だったのではないですか?

私の場合はこまめに、作品を作品集としてまとめていたので、作品集に関してはあまり問題がありませんでした。ただし、英語を幼い頃から勉強していたにも関わらず英語力のなさに落胆しました。ノッティンガムトレント大学の先生に、作品のプレゼンテーションをしなければいけなかったのですが、英語が伝わらず、身振り手振りという感じでした。 幸いにも作品を認めてもらえたので、入学は許可されましたが、事前に半年間英語のコースを取得する事を命じられてしまいました。

──  すぐに英国へ行かれていますが、半年間で英語力は伸びましたか?

無我夢中で勉強しました。語学コースには様々な国籍の方がいらっしゃるのですが、おもしろいことに、同じ国籍の方同士でどうしてもグループになってしまうのです。私は、それだといつになっても英語力は向上せず、念願のテキスタイルコースへ入学できても英語が分からず、授業の半分も理解できないのではという不安があったため、グループには属さず必死に英語の勉強をしました。

エジンバラ・カレッジ・オブ・アート
エジンバラの街とエジンバラ・カレッジ・オブ・アート


──  その強い意志があったからこそ、テキスタイルコースに入った際、様々な方とコミュニケーションを図る事ができ、今のスキルに繋がっているのですね。ただただ感心してしまいます。その後、エジンバラ・カレッジ・オブ・アートへ編入されるのですが、理由など教えてください。

日本で留学を決断した際は、まずは英国へという気持ちで学校も決めましたので、1年たち、本当に学びたいことはここではないと思い、いくつか大学を自力で探しました。

──  自力ですか?

そうです!自力で頑張りました。テキスタイルの作品を学校へ見せに行き、編入面談を行いました。向こうでは待っていてもチャンスは訪れないんです。積極的に自ら動くことによりチャンスはいくらでもやってきます。

──  その積極性は色々な場面でB.A.さんのチャンスを広げている気がします。テキスタイルの作品を見せてまわったとおっしゃっていましたが、現地でも作品は常に作品集としてまとめていらしたのですか?

はい!英国での作品もきちんと作品集としてまとめていました。常に自分の作品をアピールできるように、作品集を作成しておくことはとても大事だと思います。

──  積極性と日ごろからきちんと作品をまとめておく事が、とても大切なんですね。 さて、日本と英国でアートの学校を経験されていますが、アート教育で感じた相違点などありましたか?

これは私の感覚ですが、日本は技術重視だと思います。それに比べ英国は技術より発想重視だった気がします。日本では発想が良くても、技術的に難しいことに関しては「どうやって作るの?」と聞かれるだけで、発想をほめることは一切なかった気がします。ただし英国では、技術的には無理でも発想がよければ、発想だけでもほめる形をとっていただけていた気がします。あと、日本の先生は尊敬できる方が多く、一方的に教えていただくという形式が多いのですが、英国だとどちらかというと先生も友人のような感じで接することができ、先生へ積極的にアピールできた気がします。技術は日本が世界一だと今でも思います。ただし新しいものは生まれにくい気がします。

──  専攻は日本と英国で全く異なるB.A.さんですが、両国で勉強されたからこそ分かる両国の魅力がありますね。なんだか私も留学をしたくなってきました。(笑)

留学は「何歳になったからできない」とかではないと思いますよ!「留学したい」という強い気持ちを持ち、留学中も一生懸命打ち込めば、日本へ戻ってきた時の達成感は素晴らしいものだと思います。

──  ありがとうございます。達成感もやはり現地でどれだけ努力されたかによって変わってきますよね。さてエジンバラ・カレッジ・オブ・アートを卒業される際、卒業後の進路などどなたかにご相談されました?

はい。先生へ相談をしました。そこで夏の間だけですが、テキスタイルスタジオで少し就業しました。

──  貴重な経験でしたね。英国で学んだことを英国で発揮する事ができよかったですね。その経験は今の会社でも十分発揮できると思いますよ。

ありがとうございます。

留学経験はすぐに何か形になるものではなく、長い馬手見たとき、振り返って気がつくものだと思います。

──  さて、英国から日本へ帰国されるのですが、その際はどのような方法で前職を見つけられたのですか?

転職のポータルサイトなどを見て、直接応募しました。あとは好きなブランドへ直接作品と履歴書を送るなど、ここでも積極的に活動をしました。

──  やはりその際も、英国で学んだことを活かせるということは企業を選ぶ上で大切にされたことですか?

そうですね。その会社はアシスタントからではなく、すぐに柄を描けるということが大きな魅力でした。英国で学んだことをすぐに活用でき、それがすぐに商品になって店頭に置かれるということがとても嬉しかったです。

B.A.さんの作品
B.A.さんの作品

──  自らの手がけたものが店頭に並ぶのはやはり嬉しいことですよね。私には全く絵心がないので羨ましいです、その才能!
さて、その後現職である老舗英国ブランドへ転職をされたのですが、なぜ転職を決意されたのですか?

前職の会社の方向と、自分が行いたかったことにギャップを感じ始めたため、転職活動を始めました。もっと自身のスキルを試したかったというのもあると思います。

──  英国のご友人に今回の転職に関してご報告などされましたか?

はい!先生にも友人にも報告しました。英国老舗ブランドという事もあり、先生たちから「Well Done!」とお褒めの言葉を頂きました。

──  学生の頃の先生や友人と住む国が異なっていても繋がっていることは、とても幸せなことですね。
では最後に、これから留学する方や留学から戻ってくる方にメッセージをお願いします。

まずは、寂しくても日本に絶対帰ってこないと決める!(笑)色々な場所や色々な人と話をし続けることが大切だと思います。英語が話せない頃は、バカにされている気がする時もありましたが、それにも負けない心が大切だと思います。それを乗り越えると今まで知らなかった沢山の事柄を知ることができるんですよ!

──  そうですね。何かを乗り越える事は大変な事だと思いますが、乗り越えた人にしか見えない、感じないものはありますよね。ところで今更ですが、留学をされてよかったと思いますか?

思います!今でも思いますが、留学経験はすぐに何か形になるものではなく、長い目で見たとき振り返って気がつくものだと思います。

──  そうですね。異なる国で生活を送ることは人生観を変える事かもしれないですね。それでは最後に夢を聞かせてください。

日本の伝統とロンドンのマーケットを私は把握していると思っています。そのためその二つを融合したプロジェクトや商品を作りたいと思っています。まだまだ今は勉強中ですが、いつかは必ず達成したいですね。

──  B.Aさんの積極性や意志の強さ、またアートのセンスからしても必ず達成できると思いますよ。私も応援しています。本日は長いインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。


インタビュー後記

インタビュー:山本B.A.さんとは4ヶ月のお付き合いになりますが、キャリアコンサルタントとして仕事の話、将来の話はお伺いしていても、今回のインタビューまで留学時の事に関しては正直あまり存じ上げませんでした。沢山の作品を拝見していたので、もちろんB.A.さんのスキルには私を含め企業の方も敬服しており、留学の成果である事も少なからず知っていました。

ただ、お話を伺うにつれ、B.A.さんが留学を通じて得たものは、スキル以外にも沢山あったことに気がつきました。「何を勉強したか」ももちろん大切ですが、「どのような環境で、どのような気持ちを持って勉強し過ごすか」の大切さを改めて実感しました。異国の地でチャレンジし一生懸命努力し、帰国されたB.A.さんは自信に満ち溢れている気がします。人から褒められて得る自信もありますが、ゆるぎない自信は自分自身で獲得するものだと、B.A.さんを通して感じました。

留学も転職も大きな決断です。ただし決断をした後がもっとも大切であり、そこで何を達成したかによって人生は大きく変わりますし、変える事ができるのだとの思いを強くしました。 B.A.さんのアイディアが商品となり、店頭に並べられる日を楽しみにしています。

またそれと同時に、世界で得たものを日本で発揮したい方、日本で得たものを世界で発揮したい方のご支援が、少しでも多くできる事を今後も楽しみにしています。